象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

買い物しようと町まで出かけたら。

雨。ふと、千日前の、古いパチスロ台が打てるゲーセンに入りスパーバニーガールを打つ。知らない人には全くわからないでしょうがその黒いSUPERの文字や赤いバニーちゃん金色のベルや青いフルーツなどが無骨な匣体の中でくるくる回るのを眺めながら、スーバニは埼玉県大宮市やなあなどとぼんやり考え、ふらふらとあの町この町を転々としていた頃の自分の姿を思い浮かべる。そやな。アラジンは神奈川県大和市、はじめてパチンコ屋で働いたんやな。班長ええ人やったけど人どついてあえなく逮捕。わずか一週間の付き合いやったな。ニューペガサスは新宿歌舞伎町、地下で、中国人ばっかりやった。すってんてんになって歌舞伎町のタバコ屋かなんかの前にしゃがみこんで、相方が来んのん雨見上げながら待っとったなあ。うん。マジカルベンハー通称マジベンも新宿や。アニマルが池袋ロマンス通り、あのねっとりとした7のすべりがええねんな。ワンダーセブンが上大岡、いや、弘明寺やったか?ズパープラネット通称スープラと名機ニューパルサーが横浜寿町、イルカのやつが伊勢佐木長者町、スーバニの親機あこがれの1、5号機バニーガールは平楽のアパートの帰り道にあったちっちゃいパチンコ屋……。なるほど、二十代半ばの数年の足どりはパチスロの機種によって辿れるわけか。なるほどなるほど。と、妙に感心。ほんで感激。ひとりセンチメンタル。そん中でももっとも感傷的な気持ちになるのはこのスーバニやな。何でか知らんけど、大宮や。と考え考え、くるくる赤いバニーちゃんがまわるまわるけどふむ、なかなか当たらんな。もう千円。テンパイが外れたら当たるはずやけどな。どれ、もう千円。となり、買い物しようと出かけたのにも関わらずすっからかん。というか、当たっても金にはならんゲーセンやのに、なにやっとんねん、となります。ほんま、相変わらず、ついてないなあ。

古本屋の日記 2013年6月26日