星田から戻り少しうとうとして目覚めたらすっかり日も暮れかけた薄闇の中でした。なんだか気怠い。自分がひどく老いたような気がしてあたりを見回してもとくに不思議な浦島現象がおこっている訳でなく、ただただいつも通りの部屋の中で昨日とも明日とも区別のつかない今日を漫然と生きている自分自身を発見しただけでした。また眠ろう。そして又目覚めていつも通りの部屋いつも通りの昨日か明日か今日を見出しそうしてまた眠ろう。唯その繰り返しを自分の生きる事としよう。そうして気づけば、毎日ほとんど何も変わらなかったはずなのにわたしはいつのまにかほんとうに老いた自分を発見するだろう。なにもかもが過ぎ去った後になってわたしはわたしの日々の暮らしの変化を知るだろう。さて、その時わたしは満足だろうか?それとも後悔するだろうか?年老いたわたしにはもう何もする事は無い。わたしはゆっくりとした時間の流れの中でただほとんど何も変わらないようなゆっくりとした変化を体験したに過ぎない。そうして、もうすぐ消える。この薄闇の中に。世界はなにも、変らない。
眠り過ぎの想念。
古本屋の日記 2013年6月22日