朝から古本屋らしい不思議な出来事がありましたが、ようやく近頃のばたばたもすすっと何所かへ通り過ぎて行きそうな気配の、そんな春の一日でした。古典会でウトウトして、さて帰ろうかと思うと空が急に暗くなりざざっと一降り来たので外へ出ることができず、仕方がないので組合の一階の片隅でモデルナくんと山ちゃんと十数年前の明治古典会の七夕の目録をめくりながらああでもないこうでもないと雨宿りのおしゃべり。便利なもので目録一冊あれば退屈せずにいつまでも話し続けることが出来るのが古本屋くらい暗い片隅でいくらでもぼそぼそやっていられるのですがふとその薄暗い場所から目を上げ外を見てみると不思議なことに雨のあの字もない古本のふの字もない晴れわたった春の空が広がっておりました。
……。
などと書いて今外へ出てみれば、また雨の降りそうなお天気でした。