象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

机の上を文字にする。

ババールダイアリー。あかつきの怪人。どこかのお城を描いた粉本。ナウム・ガボの作品集。ガスビル趣味の会の番組表。観世流のレコード。ミシェル・フーコー伝。パンソリ。領収書。勲八等白色桐葉章。灯火管制用電球。BBQパーティーの案内状。軍艦三笠の文鎮。タルコフスキーのノスタルジア。鑑定用の虫眼鏡。鉛筆5本。ボールペン2本。マジック一本。硝子ペン用のインク。請求書複数。誰かの電話番号。使わなくなった地図。帽子。セロテープ。パラジャーノフのDVD。洋酒マメ本。鍵。延々、続く。

 

ある瞬間、自分が間違っていることに気づく。根本的な間違い。そうだ、わたしのほうが間違っているのだという、一気に天地がひっくり返るような感覚、ストンと急に別の場所に降り立ったような気持ちを言葉にしてみても、それはそれで、なにか目の前の現実とはそぐわない、その居心地の悪さにまた大切な間違いへの気づきを、忘れる、そうしないと、この日常に復帰できないので。

古本屋の日記 2013年4月16日