象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

倉庫整理で、かわいそうな朔太郎に出会う

近代詩 萩原朔太郎

わが故郷に帰れる日
汽車は烈風の中を突き行けり
ひとり車窓に目醒むれば
汽笛は闇に吠え叫び
火焔は平野を明るくせり
まだ上州の山は見えずや


氷島より〜帰郷(冒頭部分)。写真は敷島公園松林の詩人自筆のペン書を拡大した詩碑の、拓本。

 

家人よりもっとホームページには明るい話題を書いた方がいいと云われ、さて、どうしたもんかと考えながら倉庫を整理していたら、ばったり萩原朔太郎に出会ってしまいました。馬込のわけの分からん文士村で、見合いで結婚した嫁さんとの冷えた関係を、もっと熱く燃えさせることは出来ないかなあ、などと、宇野千代に相談したのが運のつき。千代のいらん入知恵ですっかり色気づいてしまった嫁はんと、ダンスだ何だとすったもんだの挙句、おせっかいな犀星君も手伝って結局離婚。傷心のまま幼い子供二人を連れて、あえなく故郷前橋に帰郷することとなりました。「月に吠える」「青猫」の詩人の人生は、何だか実に頼りなく、情けない話も多いようです。小銭をポケットに入れて、夕方、カフェーに、ちょっと呑みにいっても、よれたおっちゃんは、女給さんから小馬鹿にされていたとか、いないとか。若い頃はおしゃれさんだったようですが、憂い顔の、マンドリン弾き、「室生さんは小説で、ずいぶん稼いでらっしゃるみたいよ」

 

 

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古本屋の日記 2011年5月12日