なんばの山羊さんより、存在くらいは知っていましたが一度も実物を見た事のない雑誌の創刊号から5号までを、年末の新興会特別市にご出品いただけるというお電話を頂いて、いそいで、チャリで、しゃかしゃか、秋の風切り裂いて、走る、この疾走感が伝わる市場になればいいなと、わけの分からない事を考えながら、厚かましくも、お邪魔して、それ以外にも、珍しき刷物、面白き映画ポスターなどなど、たくさんの優品をお預け頂く。ありがとうございます。先日も、このホームページをいつも応援してくださっているお客様より素敵な志功の版画をお送りいただき、まあ、あんた、頑張ってやりなはれと、大阪の方ではございませんが、そのような声が聞こえたような気がしました。なんでも、大仰に、大騒ぎして、物事を膨らますだけ膨らましてやるのが好きなたちなので、たかが一つの市会の特別市じゃないかとお笑いの方もおられるかもしれませんが、まあ、それはそれ、わしはわし、などと嘯きながらすでにハマ氏や山氏にもかなりわがままにお手伝い頂いておりすみませんと、人の情けが、晩秋の霧の向こうで響く霧笛のように心に滲みるなあと思いながら、山羊さんから頂いた象の本を眺める。
(武井武雄刊本 No.93 おかしな象の話より)