長い間声を聞かない、ひょっとしたらどっかで死んでしまったかなと思っていた小説女史から、美しいというよりも凄いと感じる夕暮れの光の画像がメールで届く。一瞬はっとして、そうか、こんなに美しいものもあったのか。ーー。基地外おばはんとその仲間たちの人殺しのニュースを一日中、冷たい秋雨の音と一緒に聞いていたから、世界はなんて陰惨で馬(うま)鹿(しか)糞の味噌なのだろうかと、虚ろに憂鬱、豆腐でもくつくつ焚いて気晴らしにうましかお酒でも飲もうかと、うつつを鬱々とやり過ごそうとしていたその目の前に広がる神々しい夕日、朱に染まる光の世界、のお陰で、それでもやっぱり世界は美しいのだと思わず口にしそうになりましたが、その美しさ神々しさはどないしようもなく醜い人間のぞっとするほど中心部から腐ってしまっている世界を照らすものではなく、きっとそれ以外の、もっと素直に現れそして消えてゆくものたちを照らしているのだと思い直し、「夕日に見とれている人はきっと後ろから刺されます」と丁寧に紙に書いてみる。ドンナニ良キ言葉ヲ口二シタトコロデ、ワレワレハアノ美シイ世界カラ追放サレテイル。
だから、
ようするに、
やっちまえ!