優品の艶本の口に近年まれに見る気合いを入れて入札するもあえなく撃沈。数万円の差の中に3人。その中のべった。銅メダル。日本の柔道選手ではありませんが、金メダル以外は市場ではまったく意味がありません。落札できたらどないして売ろかいな、などど真剣に考えて、毎日の習慣の昼寝もままならないほとだったのに、肩すかしで、一日が終わる。夏が過ぎてゆきますね……。開札が終わって、自分のモノになり損ねた本をこねくりまわしてあれこれ云うのは、情けない負け惜しみです。嫉妬からついついい「ほにゃらら、ほにゃほにゃ」「こりゃ儲からんで」などと云うのは入札の勝者にたいしてあまりにも失礼だと、今更ながら思います。男なら黙って寂しい秋へと去るべきです。ま、古本屋はだいたい嫉妬深く、喧しいものなのです。それほど、本に対する情愛が、濃いーと思って下さい。すみません。もしよければ、その内の何冊かを、年末の大市に出品していただけたら助かるのですが……。
別れても、好きな本。
古本屋の日記 2012年8月27日