随分前に買取ってほったらかしになっていた古い着物を外で虫干しがてら整理する。大正時代の趣味の良い着物の柄を見ながら、一体どのような女性が着ていたのだろうかと想像を巡らす。その勢いで、たまには店の中のその他諸々も片付けようかと思いましたが、あんまり暑いんでやっぱりやーめた。夏の間、これの繰り返し。そんで、一体何をしていたのかと云うと、ほとんどの時間を、何もしない事への言い訳を考えるために使っていた、ような気がします。
汗をさっぱり流そうとスパワールドにゆくも、今まで見た事もないような混雑ぶりに、入るのを止める。
チャン・イーモウ監督『初恋のきた道』を観る。
羊のほうが人間の数よりも多そうな中国の田舎の村お話。ある日、町と村をつなぐ一本の道を通って、はじめて村に学校の先生がやって来る。その姿を目にした村で一番美しい娘(チャン・ツィイー)は、恋に落ちて……。
……。
昔 母がいった。
父の朗読の声がいいと。
字の読めぬ母にわからない言葉も、
父が読むだけで感動できた。
以来母は毎日聞きに行った。
村人が慣れて関心を失っても、
母だけは聞きに行き、
それは40年続いた。
(DVDの字幕より)
……。