象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

帽子が帰って来て、人と話して、気分が良くなる。

朝から、うすぼんやりとした黒いもやもやが胸にどっかりと居座ってどうにもたまらない気持ち。非常に近い未来に対する不安感のせいか、生来の、どこから立ち昇ってくるのかわからない生きている事への嫌悪感のせいか、それとも根本的な間違いに関する無回答のせいか、とにかく、身体の中心が煤けて、重い、のに、すかすか。たとえ長い目で見てやってもやらなくてもだいたい同じだとしても、目の前の諸々はやはり象ちゃんの名のもとにやらざるをえず、必要な書類をもらう為に重い身体を起こして……。

 

そんな気持ちで夏の強烈な光を浴びながら黒いもやもやがチャリに乗って組合へ向かう。古書会館へ厭世、はは、わたしだけがいつも深刻な顔つき、のつもり、だけれど、吉川さんと山ちゃんとたわいもない話をしているとだんだん心が晴れてくる。なによりも、何回なくしても帰ってくるお気に入りのナイキの帽子を、厚生君から預かったと云って吉川さんに渡されてわたしの厭世はあっけなく消滅、まりさんとともに消えたかと思ったけどね、やっぱりお前帰って来たんか。

 

夕方、はまおさんが来訪。たこ焼きビールハイボール。いろいろと話す。話すと、ゆううつは、消える。しゅっと別れましたが、よく考えると、もっと飲みたい。けれど、このくらいが良いでしょう。もっと飲めばそれが又翌日の厭世の元となりますから。

古本屋の日記 2012年8月25日