マーニー・ハイイェーは、書記言語としてまったく使われていなかった中世ペルシャ語での初めての書物ーー「シャーブフル皇帝に捧げる二元論」ーーを著述するために、その不完全な書記力を補うための新しい文字までも自ら開発したそうです。「マーニーは書物を美しく仕上げるための配慮には事欠かず、文字の創作から始めたのである。しかし、せっかくのマーニーの深謀遠慮にもかかわらず、マーニー教写本には特有の欠点も生じた。すなわち、マーニー教では写本の中の各行の配列などの体裁を非常に重視するので、スペースの関係で行が揃わない場合にはしばしば省略形を多様するのである」(青木健著 マニ教より)。
「ザラシュストラ、仏陀、イエスを受け継ぐ最終預言者」であるマーニーは、人類の救済のために福音を広めようとしたのではなく、自らが作った美しい書物の読者を育成したかっただけなのかもしれない、なんてことを夢うつつに思いながら……昼前の、昼寝。